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長野の夜の街権堂で40年以上営業してきた老舗。夜の街だけあって、周りは風俗系のお店が多いので、呼び込みの兄ちゃんに捕まらないよう、気合を入れていかなければならない。店舗はかなり古く、昭和30年代を思い起こさせる風情。本当にここだけ時が止まったかのようである。店を切り盛りするのは、女将さん一人。実は、以前はご主人と二人でやっていたそうなのだが、ご主人を亡くして以来、ずっと一人で店を守っているそうだ。この人懐っこい女将さんと文化財に指定したいくらいの店舗を見るだけでも、この店に来る価値は十二分にあると思う。しかしながら、それだけではない。何と言っても、ラーメンが美味い。スープはアッサリなのだが、旨味が広がり、しかもくどくない。女将さんは、「ここも私一代で終わりだねぇ」と寂しそうに話してくれたが、この名店を失くしてしまうのは、長野市民にとって損害ではないかと、長野市民じゃないのに勝手に思ってしまった。 (2002.5) |