天天有

住所 左京区一乗寺西杉の宮町49
電話番号 075-711-3255
食べたもの ラーメン
中細ストレート。
スープ 黄色っぽい白濁スープ。ダシは鶏ガラがメインとのこと。独特の甘味が効いていて、これがふわっと優しく舌を包み込む感じ。好みの別れそうなところであるが、個人的にはこの甘味はとても好きである。
チャーシュー 柔らかいモモの薄切りが4枚程度。
九条ネギとメンマ。
コメント  言わずと知れた一乗寺の有名店で、まさに横綱級の名店。初めて店の前に立ったとき、一見普通の昔風のラーメン屋に見えながらも、老舗のみが持つ言いようもない威圧感がヒシヒシと感じられ、妙にドキドキと気持ちが高揚した記憶がある。実際、ますたにや第一旭と肩を並べる京都屈指の老舗なのだが、ここ天天有は似た味が他になく、まさに孤高を貫く店と言えよう。
 この店がある一乗寺付近は、今でこそラーメン激戦区として東京のラーメンファンにも知られてるくらいなのだが、この天天有が出来た頃は、周りは殆どラーメン屋は無かったそうだ。そういう意味でも、歴史、味、共にラーメン激戦区一乗寺を引っ張ってきたと言えるだろう。芦屋のラーメン庵もそうだが、その地方の名店がラーメン激戦区を作るという典型的なパターンの一つである。
 さて、店の雰囲気だが、始めに述べたように、ぱっと見は飾ったところの無いちょっと年季の入った普通のラーメン屋なのだが、やはり何十年も変わらず愛され続けてきた地元密着型の雰囲気が感じられ、すごく落ち着いた気持ちでラーメンが食べられる空間だ。メニューにはヤキメシやカラアゲが書かれてなく、ラーメン一本で勝負するという意気込みが伝わってくる。また、チャーシューは普通のラーメンでも十分な枚数入っているので、よほどチャーシューが食べたくて仕方が無いとき以外は、チャーシューメンは避けた方が無難だろう。
 最近、味が落ちたとかいう残念な噂を時々耳にする。実際、私も年に何度かのペースで食べているのだが、やはり美味しいときは本当に感動の余り昇天してしまうほど美味しい。スープの鶏ガラダシがとてもよく取れており、濃くてまろやかで、口の中で味がふわっと広がる。それに、タレの甘みが軽く花を添えるという感じで、いくらスープを飲んでも全く飽きることが無い。本当に気がつくとスープが無くなってしまうのだ。一方、ハズレにも何度か出くわしたことがある。ダシがしっかりと出きっておらず、その分タレが甘ったるくてうっとうしく感じられるのだ。相撲で例えるならば、腰が高く足が動いてないのにやたらツッパリを仕掛ける不調時の曙関のような感じだ。まぁ、それでもそこらへんの店よりは十分美味しいと思う。横綱は不調でもそれなりに強いということだ。
 ところで、以前、十勝製麺からカップラーメンが販売されたが、全然似ていなかったので憤慨した記憶がある。あのラーメンを食べて、天天有の味ってこんなもんかと思われてしまうと、心苦しい限りである。(2003.4)
好み度 (TvT)\